あなたは、誰かに初めて出会った瞬間に「恋に落ちた」と感じたことはありませんか？それとも、長い付き合いの中で徐々に相手に惹かれていったことはありませんか？人はなぜ恋に落ちるのでしょうか？
恋に落ちるという感覚は、人間の本能や欲求に基づいていますが、それだけでは説明できません。実は、恋に落ちるときには、脳内物質や心理的要因が大きく関わっているのです。
この記事では、恋に落ちる理由やメカニズムを科学的な見地から解説します。また、恋を長続きさせるために必要なこともお伝えします。
恋に落ちる理由
恋に落ちる理由①：脳内物質が働く
恋に落ちるときには、脳内物質が大きな役割を果たしています。
特に、快楽を感じさせるドーパミンや幸福感を与えるセロトニンが分泌されます。これらの物質は、恋愛中の人の脳をスキャンしたMRI検査で確認されています。*1
ドーパミンやセロトニンは、恋愛以外でも食事や運動などで分泌されますが、恋愛中の人は通常よりも多く分泌されます。これが、恋愛中の人が興奮したり幸せだったりする理由です。また、これらの物質は依存性が高いため、相手と一緒にいたいという強い欲求が生まれます。
恋に落ちる理由②：自分の性質や欠けた部分を補う
恋に落ちる理由のひとつに、自分の性質や欠けた部分を相手で補おうとする心理的要因があります。
心理学者ウィンチが提唱した「相補性理論」*2 では、人は自分が持っていない性質を備えた相手と恋をする傾向にあると言われています。
例えば、自分が内向的で穏やかな性格ならば、外向的で活発な性格の人に惹かれやすいですし、逆もまた然りです。これは、自分では得られない経験や感情を相手から得たいという欲求があるからです。また、自分の長所を認めてくれる相手にも惹かれやすいです。
恋に落ちる理由③：過去の経験や影響がある
恋に落ちる理由のもうひとつに、過去の経験や影響があるということが挙げられます。
心理分析理論では、恋に落ちて得られる最高の喜びは「母親と幼児の間にある共生感情の復活」だと言われています*2。人は、昔の人間関係で自分が演じた役割を再現できる相手と恋をしやすいのです。
例えば、子どもの頃に親から愛情を受けられなかった人は、愛情を注いでくれる相手に惹かれやすいですし、 逆に親から過保護にされた人は、自立した相手に惹かれやすいです。また、過去の恋愛で傷ついた経験がある人は、 同じようなタイプの相手に惹かれてしまうこともあります。
恋を長続きさせるコツ
恋を長続きさせるコツ①：信頼感とコミットメントを持つ
恋に落ちることは素晴らしいことですが、それだけでは恋愛関係を維持することはできません。恋愛関係を長続きさせるためには、信頼感とコミットメントが必要です*3。
信頼感とは、常にパートナーが自分の味方である、そばにいてくれるという実感があることです。コミットメントとは、「この人以外は考えられない」と感じられることです。信頼感とコミットメントを持つためには、お互いに尊重し合い、忠実であることが大切です。また、お互いの気持ちや考えを素直に伝え合い、コミュニケーションを取り続けることも重要です。
信頼感とコミットメントがあれば、恋の化学反応が薄まっても、愛情は深まります。
恋を長続きさせるコツ②：新しいことに挑戦する
恋愛関係を長続きさせるためには、新しいことに挑戦することも効果的です。新しいことに挑戦することで、ドーパミンが分泌されてモチベーションが上がります*4。
また、二人で共通の経験や思い出を作ることで、仲良くなります。新しいことに挑戦する例としては、旅行やスポーツなどがありますが、日常的なことでも構いません。例えば、普段しない料理を作ってみたり、新しい趣味を始めてみたりするだけでも効果があります。
新しいことに挑戦することで、二人の関係に刺激や変化を与えることができます。
まとめ
以上が、人はなぜ恋に落ちるのかというテーマについて、恋のメカニズムと恋を長続きさせるコツについてお伝えしました。恋に落ちる理由は、脳内物質や心理的要因が大きく関わっていますが、それだけでは恋愛関係を維持することはできません。
信頼感とコミットメントを持ち、新しいことに挑戦することが、恋を長続きさせるための秘訣です。
